2005年12月17日

登録免許税の改正 〜税制改正〜

12月15日、与党が2006年度税制改正の大綱をまとめました。
これによると所得税と個人住民税の定率減税の廃止など、実質増税は避けられそうもありません。


この中で登記に密接に関連する登録免許税についての改正も発表されました。

現行の不動産登記の登録免許税は、不動産取引の活性化を図るために、通常の税率の1/2とする軽減措置がとられています。しかし、この軽減措置は来る平成18(2006)年3月31日までの期間限定のものです。

よって4月1日からは通常の税率に戻るのが規定の路線なのですが、一方で漸く活性化してきた不動産取引に対する悪影響に配慮して軽減措置を延長するべきかどうかが議論されてきました。

結論は、
土地に関しては、軽減措置を2年間延長する。
建物に関しては、軽減措置の延長はしない。
というものです。


詳しくはもう少し詳細がはっきりしてからお知らせしたいと思います。

いずれにしても建物に関する登記については、来年の3月末までに済ませてしまった方がよいことは間違いないようです。
posted by きむたろ at 00:05| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | 登記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月16日

姉歯建築士による構造計算書の偽造2 〜外見重視のマンション〜

前回からの続きとなりますが、本末転倒とも言える意匠重視・構造軽視の傾向は、なにもデザイン性のある特殊な建築物だけではなく、一般のマンションなども例外ではありません。


◆外見(みてくれ)重視のマンション

今回問題となっているマンション。

エントランスまわりが石貼りの造りになっていて妙にゴージャスな感じになっていることに気がつかれた方もいるかと思います。

これらのマンションは、エントランスなど目に付きやすいところにはお金をかけてゴージャス感をだしている一方、本来一番重要な構造部分で手抜きをしていて強度不足という建物としては致命的な欠陥があるということになります。


現在、このの問題の実態の究明が行われていますが、「木村建設から姉歯建築士に対して鉄筋量の削減要求があった」という話もでてきています。

ここまでいくと法令違反の問題になってきてしまいますが、業者がこんな発想をするのは、背景として意匠重視・構造軽視の傾向があることは否定できません。

このように、構造など素人ではわかりにくいところでは手抜きをし、逆に素人でもわかりやすい部分に無駄なお金をかけて豪華な造りにするのは、こうしたマンションの方が購入者にアピールしやすく売りやすいからです。

目につきやすいところを豪華にし、一方で見えない部分では手抜きをすることで販売価格を下げ割安感をだすことにより、顧客に買わせようというマンション開発業者の意図が透けてみえます。


◆手ごわい消費者になるためには

このような悪徳業者から身を守るために、われわれ消費者はどうすればよいのか?

まず消費者は自ら賢くならなくてはいけません。


例えば価格。

問題マンションの販売価格は近隣の一般的な競合物件よりも安いのです。
しかし、エントランスなどは妙に豪華な造りになっています。

なにかおかしいと感じませんか?


物には必ず適正な価格というものがあります。
ある物が適正価格よりも安い値段で売られている場合、必ず安く売ることができる理由があるはずです。

「その理由はなんなのか?」

「これから買おうとしている物は、はたしてこれから支払うお金と同等以上の価値を持っているものなのか?」

必ず考える癖をつけるべきです。


考えてもよくわからない場合には、本当に信頼できる専門家がいればその人物の力を借りればよいのです。

消費者は賢くならなければいけないのです。



とはいえ、マンション購入者は建築の素人です。
どうしても、外観などといった目につきやすいところで判断してしまいがちです。

一方で、業者が利益の追求のみを追い求めるようになるとこのような発想に走るのはある程度予測できることです。


こうした業者の暴走から消費者を守るため、国がチェック機能を構築してきたことは前回述べたとおりです。

しかし、そのチェック機能は機能しませんでした。

次回はこの問題について考えてみたいと思います。



posted by きむたろ at 08:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月06日

姉歯建築士による構造計算書の偽造 〜意匠重視・構造軽視の風潮〜

姉歯建築士による構造計算書の偽造問題が世間を騒がせています。

私は、こういった問題が起こる背景には、日本社会が抱える様々な問題が根底にあるような気がしています。

今後、数回に分けてこの問題について考えていきたいと思います。


◆意匠重視・構造軽視の風潮

まずは、建築物の設計というものについて考えてみたいと思います。

建築物の設計は、構造の設計意匠の設計とに分けることができます。
意匠設計とはいわゆるデザインの設計です。
構造設計とは、建物が地震に耐えられる十分な強度の構造になるように設計をするもので、今回問題になっているところです。

意匠と構造、建築物の基本性能を考えるうえで、本質的にどちらが重要かは議論するまでもないでしょう。
極端な話、マンションの外観などのデザインの設計は、耐震強度などといった建築物の基本性能をクリアしたうえで考えればよい問題のはずです。

しかし、一般的に建築主(施主)は、建築物のデザインなどといった意匠の設計には莫大な費用をかけ、その価値を認めますが、構造の設計には費用をかけないといった具合に、意匠重視・構造軽視の傾向があるように思います。

○○建築士など世界的に有名な建築士は、みなそのデザインの優秀さで評価をされています。
施主も、そういった著名な建築士の描くデザインには莫大なお金をかけるのです。
ところが、例えば「○○建築士の構造計算は素晴らしい!」などと取り上げられた話はあまり聞きません。(もちろん著名な建築士は構造設計で手抜きをすることなどあろうはずもありませんが・・・)

これは、世の風潮が優れた意匠設計は評価するが、優れた構造の設計はそれほど評価するわけでもないということを意味しているのです。

もちろん、建築について素人である一般人が「プロが設計している以上、構造に問題があるわけがない」と思うことが悪いと言っているわけではありません。ただ、構造設計の重要性を忘れてはいけないと言っているのです。


素人ではチェックのしようのない構造設計。
この部分で問題が発生しないように、日本では国家を旗頭としてチェック機能を構築してきました。地震の多いお国柄、当然の措置と言えましょう。

しかし、今回の事件はそのチェック機能が麻痺していることを証明してしまいました。


この日本社会のチェック機能の脆弱性、そしてこれまでお話してきた意匠重視・構造軽視の傾向は、一般のマンションでも例外ではないということを、次回以降お話していきたいと思います。
posted by きむたろ at 08:57| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(4) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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