2006年01月18日

ライブドア強制捜査

ライブドアに証券取引法違反の疑いで強制捜査が入りました。
本当に違法行為があったのかどうか、その真相は今後の捜査を待たなければなりません。

しかし、堀江社長のこれまでの言動には何か違和感を覚えてきたことは否定できません。


例えば・・・

ニッポン放送株を取得した時には、自らの持つ株主の権利を繰り返し主張してきた堀江社長。

一方、ライブドアの株主総会にて、自社に十分な利益が出ているのにもかかわらず、株主の権利を行使して配当要求を求める株主提案を拒絶する堀江社長。

どちらも違法行為ではありません。
ただ、ずいぶん身勝手な人だなと強く感じます。
世の中のルール(社会規範)を守れない(知らない?)人なんだな、と感じるのです。


会社は営利を目的とする法人です。
お金儲けを追求するのは至極当然のことです。

しかし「世の中のルールを守った上で」という但し書きがつくのです。
違法行為でお金儲けなどもってのほかです。

そして、世の中のルールというものはなにも法律だけではありません。
商慣習、道徳、倫理なども重要な社会規範です。
ただ、法律にあって他の社会規範にないものは、罰則という国家権力による強制力だけです。


コンプライアンス(法令順守)の重要性が叫ばれる昨今。

それは、法令を守れないような会社は、市場しいては社会の支持を得ることができず、結果的に市場や社会からの退場を迫られるからです。
国家権力による強制力が発動されるまでもなく、まず市場が違反者を排除するのです。


従って、罰則という強制力をもたない商慣習、道徳、倫理などといった社会規範に違反した場合には、市場や社会が違反者を排除しなければなりません。

世の中のルールを守れない者が、自分の都合の良い時だけ証券取引市場のルールを振りかざし会社を大きくし潤っていく資格などないと断言できます。


しかしながら・・・

市場は強制捜査が入るまでは動きませんでした。
また逆に、一企業にすぎないライブドアに強制捜査といったニュースだけで、これまで上昇基調にあった全体の株価まで大きく値を落としてしまいました。

制裁をくだすべき時には動かず、ちょっとした情報に過敏に反応しすぎる市場・・・

どちらも健全な状態とは言えません。

例えばなにか有事があった場合、とんでもないパニックを引き起こす可能性が高い、非常に危険な状況にあるのではないかと私は思っています。
posted by きむたろ at 12:52| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(2) | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月17日

登記オンライン申請の手数料

不動産登記・商業登記などの登記申請を、インターネットを使って行うことができるオンライン申請。現在のところ、このオンライン申請ができる登記所は一部の登記所に限られ、これらの登記所はオンライン申請ができる登記所という意味でオンライン指定庁と呼ばれています。

よって、オンライン指定庁以外では、登記申請は従来通り書面で申請する以外方法はないのですが、順次全ての登記所はオンライン指定庁に切り替わっていくことになっています。


さて、このオンライン申請
鳴り物入りで導入されたのはよいですが、現実にはほとんど利用されていないようです。

なぜでしょうか?

その理由としては次のようなことが考えられます。

・今のところ、インターネットを使ってオンライン申請をしても、添付書類を別途届けなければならないため二度手間になってしまう
・オンライン申請を始めるには、そのための設備を整えなければならない
・そもそも実務上の必要性から導入された制度ではなく、電子政府の推進といった政府主導による言わば上からの押し付け的な制度導入であったため、今のところ現場のニーズにマッチしていない

今後、電子署名電子認証、戸籍など公的書類の電子化が進めば、これらの不便は順次解消されていくものと思われますが、今のところは書面申請をやめてオンライン申請にするメリットがまったく感じられないと言ったところが実情なのではないでしょうか。


「そこで」ということでしょうか?
政府は、各種行政への申請手続きにかかる手数料を引き下げることで利用を促す策に出るようです。

現在、登記に関してインターネットの利用が進んでいるのは、登記簿の情報をインターネットで閲覧できる登記情報提供サービスというものです。

これは、登記所で管理している登記情報をインターネットで閲覧できるシステムで大変便利なものです。
※但し、コンピュータ庁のみ。ブック庁では利用できません。
先の、登記のオンライン申請とは違って「実務上不可欠」と言われるほどよく利用されるシステムとなっています。


今回発表された電子申請にかかる手数料の軽減は、登記に関する手続きでは、まずこの登記情報提供サービスの手数料の引き下げという形で導入されるようです。

ちなみに、この登記情報提供サービスの手数料は現在1回の閲覧につき950円で、登記所で登記簿謄本を取得する(手数料1通につき1000円)のとほぼ同等の金額です。


あまり利用が進んでいないオンライン申請ではなく、活発に利用されている登記情報提供サービスの手数料が引き下げられるということは、オンラインの利用促進という政府の本来の意図とはズレているように感じますが、なんにしても行政手続に関する費用が引き下げられることは大変喜ばしいことで、良い方向で今後検討が進められることを期待しています。
posted by きむたろ at 12:58| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 登記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月13日

姉歯建築士による構造計算書の偽造3 〜地震で崩壊しない建物〜

事業者、設計会社、施工業者などが己の利潤追求のためいい加減な仕事をしないように、国がチェック機能を構築してきたことは前回までにお話してきました。

今回は、そのチェック機能の内容についてお話したいと思います。


◆建物の耐震基準と建築確認
 日本の建築物は、ある一定レベルの地震に対しても建物が崩壊することがないよう耐震基準が定められています。この耐震基準をクリアするため、非木造(鉄骨造や、鉄筋コンクリート造)や木造でも3階建以上の建築物を建築する場合には必ず構造計算を行います。

この構造計算、一般的には国がお墨付きを与えた指定の計算ソフトを使って構造計算書(※追記参照)を作成し、それを地方公共団体あるいはイーホームズなどの民間の検査機関がチェックすることによりその内容が正しいかどうかを審査します。この作業のことを建築確認申請と言い、ここでOKがでないと建築工事を始めることができないようになっています(建築基準法)。建築物の設計に問題がないかどうかを着工前にチェックしているのです。

この制度により、鉄筋コンクリート造などの大型の建築物を建築する場合、その設計に構造上の欠陥が発生しないようになっているのです。

マンションの広告をよーく見てみると、小さい字で「建築確認番号」という番号が記載されていると思います。これは確認申請が無事におりたことを示しているのです。


◆完了検査と検査済証
 確認申請により、建築予定の建物の設計に問題がないことが確認されました。これにより、めでたく工事着工となります。

「設計図に問題はない」。
さて、これだけで安心でしょうか?

建築基準法は、工事が完了した後にチェックするしくみも用意しています。

これを完了検査といいます。
この検査により、出来上がった建物が法令に適合しているかどうかチェックがなされ、この検査に合格するとその証として検査済証というものが交付されるのです。

また場合により、工事を行っている最中に中間検査というものを行うこともあります。


◆行政から民間へ
 さて、先に建築確認申請は、地方公共団体あるいはイーホームズなどの民間の検査機関が行うことをお話しました。

従来は、この「確認申請」は地方公共団体以外は行うことができませんでした。

ところが、規制緩和の流れを受けて、1999年の建築基準法の改正により、イーホームズなど民間の検査機関でもできるようになったのです。


◆まとめ
 以上のように、国はさまざまな仕組みを用意して、欠陥のある建物が出来上がらないようにしてきました。

しかし、それでも欠陥住宅などといったものによる被害が後を絶ちません。

次回は、それでも欠陥住宅が生まれてくる原因について考えてみたいと思います。
追記
posted by きむたろ at 12:58| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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