こうした事態をうけ富士見市は、裁判所に対し競売中断を申し立て、業者に工事費返還をあっせんするなどの救済に乗り出し、県も高齢者の訪問販売のトラブル解決に向けて動き出しました。
認知症(痴呆症)で物事の判断能力がない高齢者に群がる悪徳業者には本当に怒りを覚えます。
このような高齢者など、物事の判断能力を失ってしまった人を守る手段として、民法は成年後見(※詳細追記)という制度を用意しています。
この制度を利用するには、本人・配偶者・4親等内の親族、あるいは保護すべき人に身寄りがいない場合には市町村長が、家庭裁判所に対して、成年後見人の選任を申立する必要があります。
しかし、今回の姉妹のような場合、本人が申立手続きをできるはずはなく、また配偶者や面倒をみてくれる親族がいなかったがために悪徳業者の餌食になってしまったわけです。
つまり、本当にこの成年後見制度を利用しなければいけないような人に限って、申立をしてくれる人がいないのです。
ここに大きな問題があります。
また、「悪質な訪問販売業者は処罰すればよい」という考え方もあるでしょう。
特定商取引法という法律では、こうした悪徳業者に対し、訪問販売業務の全部か一部を停止させる業務停止命令を出すことができるとされており、契約書類に虚偽記載があれば100万円以下の罰金となることもあります。
しかし、この法律も被害者が知らなければ意味がなく、また悪徳業者は架空名義を使っていたりして業務停止命令など怖くもありません。
このような法律は、まっとうな業者をしばることはできますが、悪徳業者にはあまり意味がないのです。
あとは、刑法の詐欺罪・準詐欺罪で罰するほかないでしょう。
このように、法律・制度の不備、運用上の欠点を悪用する悪徳業者をのさばらせないためになにか良い方法はないでしょうか?
ご意見お待ちしています。
※成年後見制度
判断能力が不十分なために、財産侵害を受けたり、
人間としての尊厳が損なわれたりすることがないように、
成年後見人という代理人を裁判所に選任してもらい、
本人に代わって契約などの代理をしたり、
本人が間違って不利な契約をしてしまった場合、
取り消しなどの法律行為を行う制度。
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>悪徳業者をのさばらせないためになにか良い方法はないでしょうか?
の回答に直接的な対策ではないかもしれませんが、『地域の目』がとても大切だと思います。こういうご姉妹のケースってレアのケースではなく、多分沢山いらっしゃると思うのです。認知症に限らず幼児虐待のケースにも当てはまりますが、コミュニティで関心を持つことが、草の根的なことですが実は早い解決になるのでは。
悪徳業者にかぎらず、訪問販売&電話営業の業界では、ある地域やある世帯に絞って営業をします。そして、また違うターゲットへと。地域に狙いを定める場合、地域がお互いで情報を交換する慣習をもっていれば、今自分達の地域が狙われているのがわかります。そういう地道な対策が『悪徳業者をのさばらせないため』につながる一歩だと思います。
必要な人ほど自分で申請は出来ないし、このような制度がある事も広く知られてないように思います。
自分も知りませんでしたし…。
今後はこの制度の認知度を上げたり、業者への罰則を強化するなどして、少しでも被害が防げるといいですよね。
やっぱり悪徳業者の名前を公表するのが一番効き目があると思いますよ。なんといっても信用第一ですから。何故個人の悪い事をした人は名前公表するのに、企業だと隠すんでしょうねぇー
成年後見制度は、よく考えられたすぐれた制度だと思うのですが、申立人の制約があります。
今回のように身寄りのない方々には、事実上利用できない制度と言わざるを得ません。
運用方法に一工夫必要かな、と思います。
また業者に対する制裁ですが、「実体のない怖いものなし業者」の場合は、有効な制裁方法がありません。社名など適当に次々と変えてしまうだけです。
他人に無関心な社会。
遠回りなようですが、一番の解決策は少しずつでもこうした世の中を変えていくことでしょうか?