2005年06月10日

株券不発行制度とは?

これは、平成16年度の商法改正により取り入れられた制度で、昨年の10月1日より施行されています。

従来、すべての会社は、原則株券を発行しなければなりませんでした。
しかし、日本の会社の大多数を占める中小会社では、ほとんど株券が発行されていないのが実情でした。
平成16年度の改正では、こうした実態に近づけるため、また有価証券のペーパーレス化を進めるため以下のように改正がなされました。


◆保管振替制度利用会社(上場企業・店頭登録会社のすべて=公開会社
2009年(平成21年)6月までのある時点(一斉移行日)をもって、株券は発行しないものとする。これ以降、公開会社の「株券」はなくなり、一律コンピューター管理となります。このとき、証券会社などに預託していないいわゆる「タンス株」は無効となってしまいますのでご注意を・・・


◆保管振替制度利用会社以外の会社(非公開会社
すべての株式会社は、定款で株券を発行しない旨を定めることができる(商法227条)。
この定款の定めがなくても、株式譲渡制限会社(※詳細追記)は、〔原則〕株券を発行する必要はなく、〔例外〕株主から株券発行の請求があった場合は株券を発行する、ということになります(商法226条)。


この株券を発行しない会社のことを株券廃止会社といい、この制度のことを株券不発行制度といいます。

先の公開会社の場合は、「一斉移行日」をもってすべて株券不発行(株券廃止)に切り替わります。
それ以外の非公開会社の場合は、定款変更の株主総会決議において、ある「一定の日」に株券の廃止の効力が発生する旨を決議し、公告・通知をしなければなりません。
この公告・通知は下記のように行います。

株券を発行しない旨の定款の定めをした会社は、「その旨」と「会社の定めた一定の日に株券が無効となる旨」を効力発生日の2週間前に、定款に定めた方法により「公告」し、かつ株主と登録質権者に「通知」しなければなりません(商法351条)。

また、会社が、@すべての株式について株券不所持の申出により株券を発行していない会社である場合、またはA譲渡制限会社が株主の請求がないために株券を発行していない会社(以上@Aを準株券廃止会社という)である場合には、前記の「公告」、若しくは「通知」どちらか一方だけで済ませることができます。但し、「通知」は、株主、登録質権者に加え端株主、新株引受権者及び新株予約権者にもする必要があります。


また、従来株式の譲渡は、株券の交付によって行われていましたが、株券不発行制度の導入により変更が加えられました。
長くなりましたので、こちらについては次回以降にお話したいと思います。※株式譲渡制限会社
 定款に「株式を譲渡するには取締役会の承認を受けなければならない」といった、株式の譲渡制限に関する規定を置いている会社のこと
posted by きむたろ at 19:23| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
株券不発行会社の株式取扱規程の表示をお聞きしたい。
Posted by 羽田義俊 at 2005年09月24日 14:58
羽田義俊様

株券不発行会社の株式取扱規程。
上場会社が一斉に株券不発行となるのがまだ先(平成21年6月までのある時点)なせいか、私は未だ株券不発行会社の株式取扱規程なるものを見たことがありません。

そもそも株券が不発行であるため、細かい規程が必要なのがどうか議論があるところだとは思います(定款でカバーできる)が、私自身興味があるところですので調べてみます。

結果は早々に本ブログでも掲載したいとは思いますが、羽田様のアドレスなど教えていただければ、書式があればメール送信したいと思っています。
Posted by きむたろ at 2005年09月26日 18:17
当該規程につき、情報ありましたら
ご教示ください。
Posted by 小池 隆一郎 at 2006年07月24日 13:57
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