2005年05月26日

成年後見制度とは?

成年後見制度とは、判断能力が不十分なために、財産侵害を受けたり、人間としての尊厳が損なわれたりすることがないように、法律面や生活面で支援する仕組みのことを言います。昔、「禁治産・準禁治産」とよばれていた制度を改正して新しく作られた制度です。

具体的には、成年後見人などの代理人を裁判所に選任してもらい、この成年後見人が本人の代わりに契約などの手続き(法律行為)を行ったり、本人がなにもわからずに締結した不利な内容の契約を取消したりします。

今回の埼玉県富士見市の姉妹の場合、成年後見人が選任されていれば、悪徳業者にだまされて本人が契約をしてしまったとしても、この成年後見人が取消をしてしまえば家を競売にかけられることもなかったはずなのです。

ちなみに、後見人には、未成年者で父母など親権者がいない場合の未成年後見人というものもありますが、こちらは成人なのか未成年なのかで区別されます。

どちらにも共通していえるのは、支援を必要とする人(被後見人)の能力をできる限り活かしながら保護・支援していこうというものです。


成年後見制度には以下の2つの種類があります。

1.法定後見制度
2.任意後見制度

今回は、1の法定後見制度について解説します。

これは、本人が「現在」すでに判断能力が衰えていて、すぐにでも支援が必要な場合の制度です。この法定後見制度は、本人の判断能力の衰え具合に応じて3つの類型があります。

@後見類型
 判断能力が非常に減退しており、ほとんど判断できない状態の場合適用されます。一番症状が重い場合の類型で、裁判所によって選任された「後見人」がすべての法律行為を行います。今回の富士見市の姉妹の場合はこちらにあてはまります。

A補助類型
 判断能力が著しく不十分という言い方をするのですが、しっかりしている時もあるけど判断能力がかなり衰えている場合の類型です。法律で決められた重要な法律行為を行う際、裁判所によって選任された「保佐人」が、本人に同意したり、取消をしたりします。後見人と比べると、本人が独りで行うことができる法律行為が広がります。

B補助類型
 判断能力が不十分という言い方をしますが、少しぼけてきたかなといった場合の類型です。裁判所に「補助人」を選任してもらい、あらかじめ申立しておいた「特定」の法律行為をする場合に限り、この補助人に代わりに行ってもらうのです。「特定」の法律行為とは、例えば「借金をすること」などです。この類型が法定後見制度の中では一番症状が軽い場合の類型です。

任意後見制度については、また次回以降にお話します。
posted by きむたろ at 22:52| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 成年後見制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
さて,後見制度ですが,これをうまく活用すれば富士見市の姉妹のようなケースは防げたかもしれませんね。
しかし,一方で,禁治産制度のイメージが強く,「戸籍に載ってしまう」とか「世間から後ろ指さされる」などというイメージを持っているために申立を躊躇する人も多いようです。
前者については全くの誤解なので,これを説明すれば大丈夫でしょうが,後者については,地方に行くほどまだまだそんな風潮が強いのも事実です。でも,これも明らかに誤解と偏見に基づくものなので,なんとか人々の意識も改めてほしいものですね。そうすれば,気軽に活用できるようになると思います。
Posted by おかにゃん at 2005年05月29日 01:02
おかにゃん様、コメントありがとうございます。

成年後見制度、制度上の問題点により使えないと言うのであればいざ知らず、「誤解・偏見」により利用されないのであれば残念なことです。

正しい情報を伝えられるように努力しないといけないないですね。
Posted by きむたろ at 2005年05月30日 15:52
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