2005年09月20日

登記所が発行する証明書(商業登記編)

今回は、法務局が交付してくれる登記事項の証明書についての会社・法人登記編です。

不動産登記と同じように、コンピュータ庁なのかブック庁なのかによって証明書が異なるので、それぞれに分けてご説明します。

◆会社・法人登記
(1)ブック庁

◎登記簿謄本(抄本)
 不動産登記と同様、ブック庁では、登記は紙の帳簿(登記簿)という形でファイルされています。登記簿謄本は、この登記簿のコピーで法務局が認証してくれたもののことを言います。登記簿のコピーなので登記簿謄本と言うのです。
 登記簿謄本は、登記簿のうち現在有効な登記事項についての全部をコピーしたものですが、登記簿の一部だけをコピーしてものを登記簿抄本と言います。一部とは、役員欄、商号欄、目的欄などを選択して請求することができます。一般的に、代表者の資格証明書と言われているものは、役員欄についての登記簿抄本のことを言う場合があります。

◎閉鎖謄本
 登記簿のうち現在有効でない登記事項、例えば過去の役員についての登記など、現在の登記簿からは確認できない古い登記事項のみをまとめてファイルしたものを閉鎖登記簿と言います。閉鎖謄本とはこの登記簿コピーで法務局が認証してくれたもののことを言います。
 一部事項のコピーである閉鎖抄本というものもあります。

◎閲覧
 閲覧とは、法務局で登記簿のファイルを直に見せてもらう制度のことを言います。謄本を取得する場合と違って、ただ「見るだけ」ですので、必要に応じてメモなどをとることになります。
過去の情報から変更がないかどうか確かめたい時など、ちょっとしたことを知りたい場合には費用も安上がりなので便利な制度です。


(2)コンピュータ庁

◎登記事項証明書
 ブック庁での登記簿謄本にあたるものが、コンピュータ庁の登記事項証明書です。ブック庁での登記簿抄本のように一部の事項についての証明書、一部事項証明書というものもあります。これに対して、全ての事項についての証明書のことを全部事項証明書と言います。

 また、これは不動産登記の登記事項証明書と異なるのですが、会社・法人登記では、登記事項証明書のなかでも現在事項証明書、履歴事項証明書、閉鎖事項証明書という細かい分類をしています。以下それぞれについてご説明します。

現在事項証明書  
  現在効力がある登記事項についての証明書。過去の経緯は一切わかりません。
履歴事項証明書  
  閉鎖されていない登記事項についての証明書。
  過去3年以内の情報は記載されています。
閉鎖事項証明書  
  閉鎖された登記事項の証明書。ブック庁での閉鎖謄本にあたるものです。

このように、会社・法人登記では、登記事項証明書をその利用目的に応じて細かく分類しています。ただ、単に「会社の謄本」が欲しいといった場合には、履歴事項全部証明書を請求するのが無難でしょう。


◎登記事項要約書
 こちらも、コンピュータ庁では登記が電磁的データで保存されており、ブック庁のように閲覧をすることができないため、その代わりに作られた書類です。
 簡単に言ってしまえば、登記事項証明書の簡易版です。記載されている内容も、現在有効な登記事項のみであるため、ブック庁で閲覧すれば確認することができた過去の所有者などといった情報は登記事項要約書からは知ることができないといった欠点があります。

◎コンピュータ化以前の閉鎖登記簿
 コンピュータ庁では、「現在」有効な登記情報は、原則すべて紙の登記簿から電磁的データに移し変えています(このことを、コンピュータ化に伴う移記といいます)。
 しかし、「現在」有効でない「過去」のデータは、従来の紙の帳簿のファイルのまま残されています。コンピュータ庁では、こうした、従来の紙の帳簿のファイルによる登記簿のことをコンピュータ化に伴う閉鎖登記簿と呼んでいます。

◎閲覧
 「現在」有効な登記情報はコンピュータ化により閲覧できなくなってしまったのですが、「過去」の登記簿=閉鎖謄本は、ブック庁と同じように閲覧することができます。

◎代表者事項証明書
 いわゆる「代表者の資格証明書」のことです。代表者が複数名いる場合には、その者のみの証明書を発行してもらうこともできます。


(3)ブック庁・コンピュータ庁共通

◎印鑑証明書
 法務局では、会社代表者の印鑑を登録しています。従って、会社代表者の印鑑証明書も法務局が発行します。
 印鑑証明書の交付を受けるには、交付申請書を記入し印鑑カードを添付して請求するだけです。委任状を用意する必要はありませんが、印鑑カードがないと印鑑証明書の交付を受けることができないので注意が必要です。

◎商号調査簿
 類似商号の調査をするために閲覧することができます。閲覧費用は無料です。


posted by きむたろ at 08:03| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 登記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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