今後議論がなされていくものと思われますが、とんだところに火の粉が降りかかってきたものです。
◆住宅ローン減税
住宅ローン減税は、「国民が支払った所得税を減税額に応じて返してもらえる」という制度になっています。
よって、実際に減税によって返してもらえる金額は、所得税として支払った金額が上限となります。計算上の減税額が所得税額よりも多くても、それ以上返してもらえることにはなりません。
そして、住宅ローン減税は、所得税だけを対象にしたものであり住民税には適用がありません。
◆三位一体改革に伴う税源移譲
今回の改正は、国から地方自治体への権限移譲に伴い、税金の徴収権限も移譲させようとするものです。
これにより、我々が支払う住民税が増え、所得税が減ることになります。
これは、住宅ローン減税の適用を受ける人にとっては大問題です。減税の適用を受ける所得税が減り、減税の適用を受けない住民税が増えてしまうのですから。
そもそも住宅ローン減税は、不動産の流動化、景気対策として導入された制度です。恒久的に税金を減らしてくれるというものではなく、不動産の流動化が進み、景気が回復すればなくなってしまう制度なのです。現に、減税規模は年々縮小しているため、減税の恩恵を最大限受けたければ、早めに居住用の不動産を購入するなどして入居をする必要があります(締日は毎年12月末)。
こうした国民にとっての不都合をどうするのかについては、今後議論がなされていくはずですが、景気の回復感が高まる中、消費税率のアップが検討されるなど、あまり良い方に転ばないのではないかと思っているのは私だけでしょうか。