2005年10月26日

楽天vsTBS法廷闘争か?

ライブドアとフジテレビの法廷闘争は記憶に新しいところですが、今度は楽天とTBSの経営統合問題が法廷で争われる可能性がでてきました。

楽天は、元々今回のTBSとの経営統合は話し合いで解決したいとのスタンスをとっていました。しかし、TBSが話し合いに応じないことにより、楽天のとった行動はTBS株の買い増しでした。

楽天のTBS株の持ち株比率は25日現在19%超となりました。

話し合いができない現状に楽天のスタンスがより敵対色を強め、これに対しTBSが買収防衛策を発動させる可能性が高まってきたのです。


TBSは6月に買収防衛策として新株予約権を発行しています。

この新株予約権は、敵対的買収者が20%超の株式を取得した場合などに、日興プリンシパル・インベストメンツが新株予約権を行使し新株の発行を受けることにより相対的に買収者の持ち株比率を下げようとするものです。

この新株予約権を行使して新株を発行するには、
1.発行済み株式の20%を超えた株の買い占めがあるかTOB(株式公開買い付け)を掛けられたこと。
2.社外の経済人や弁護士など7人で構成されている評価特別委員会が、敵対的買収に対抗するために防衛策を発動させる必要があると判断したこと。
という条件が必要となります。


現在、楽天の持ち株比率は買い増ししたとはいえ20%を超えてはいないこと、またここが一番肝心なところですが、株主の判断を仰がない今回の防衛スキームが後々の法廷闘争での争点になる可能性が高いことなどからして、直ちに防衛策が発動される可能性は低いものと思われます。

しかし、まずは本日26日に開催が予定されている評価特別委員会は要注目と言えるでしょう。


仮にTBSが防衛策を発動した場合、楽天は株主代表訴訟で対抗することを明言しています。


法廷闘争となった場合ポイントとなるのは、株主の利益合理性です。

今後、両陣営はそれぞれの「思惑」と「株主の利益とその合理性」を秤にかけながら対策を練ってくることでしょう。
posted by きむたろ at 08:01| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(9) | 会社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月26日

ポイズンピル、原則非課税

敵対的買収への企業防衛策である新株予約権を用いたポイズンピルは、原則非課税とする国税庁の見解がでました。 【平成17年4月23日 日経新聞】


敵対的買収に対する防衛策としての新株予約権の場合、「予約権の発行」自体が買収への抑止力となるため、実際に買収者が現れる可能性は少ないものと思われます。

従って、この「新株予約権」を行使して、現実に「新株発行」をする可能性が低いことから、予約権を実質無価値とみなし、よって原則非課税とするものです。


ライブドアによるニッポン放送の買収劇を契機として、早いところではこの6月末の株主総会での導入に向け、自社の防衛策を検討する企業が少なくありません。
こうした中、課税ルールがはっきりしないのでは検討のしようがない、という企業サイドからの要望に応え、国税庁が方針を示したものです。

尚、実際に買収が具体化し、これに対する防衛として発行済の新株予約権を株主等に付与する場合は、予約権を受け取る株主は課税される取扱となります。


今回の国税庁の方針決定により、新株予約権を用いた「ポイズンピル」を利用した企業防衛策を導入する企業が増えるのではないかと思われます。

今年度予定されている商法の改正でも、企業防衛に関する規定の充実が予定されています。

このように「防衛」側の論理ばかりが強調されがちな状況の中、制度設計には「バランス」感覚を失わないよう細心の注意を持って臨むことを期待したいと思います。


posted by きむたろ at 14:20| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月25日

社外監査役

平成13年の商法等の改正により改められた社外監査役の規定が、平成17年5月1日から施行されます(商法特例法第18条)。

従前は、商法特例法上の大会社(※詳細追記)では、3人以上の監査役のうち1人以上は「社外監査役」、すなわち「就任の前5年間、会社・子会社の取締役・支配人・その他の使用人でなかった者」でなければならないとされていました。

これが今回の改正により、社外監査役の人数を「半数以上」(同数は可)とし、5年間に限らず「就任前に会社・子会社の取締役・執行役・支配人・その他の使用人となったことがない者」でなければならないとされたものです。


ただし、「施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結の時までは、従前の規定による」とされているため、この5月1日をもって一斉に切り替わるという趣旨ではありません。


具体例を挙げてご説明します。

例えば3月決算の会社では、最初に到来する決算期に関する定時総会とは、「平成18年6月の定時総会」となり、この定時総会終結までは従前どおりということになります。

従って、「5月決算の会社」から順次新法の適用を受けていくことになります。


新法では、社外監査役は「半数以上」とされているため、例えば監査役3人のうち1名を社外監査役としていた会社は、社外監査役は最低2名はいないと規定違反となってしまいます。

この場合、従前の監査役1名を社外監査役に入れ替えるか、新たに社外監査役を1名補充選任する必要があります。

尚、「社外監査役」の登記はない(全て「監査役」で登記される)ため、今回は登記の書き換えの問題は発生しません。続きを読む
posted by きむたろ at 12:20| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 会社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月08日

日立、ポイズンピル導入を検討

日立製作所は6月に開催する株主総会に、敵対的買収に備える企業防衛策「ポイズンピル(毒薬条項)」の導入を提案する検討に入った。
国内の大手企業で導入の動きが明らかになったのは初めて。
日本の代表的メーカーが導入に踏み切れば、米国で最も一般的な企業買収の防衛策が日本でも一気に普及する可能性がある。
http://www.asahi.com/business/update/0406/002.html 【asahi.com】


ライブドアによるニッポン放送の買収劇から得られた教訓により、早速対応策を検討する企業がでてきました。


一般的に「時価総額が低いのに多額の現金を持つ企業」や「高い技術力が株価に結びつかない企業」は買収リスクが高いと言われています。
今回の日立製作所の場合は、時価総額は約2兆2千億円もあり、直ちに買収リスクに直面する可能性は低いように思われます。

しかし、日本企業の株価は依然低迷しており、外資などによる買収リスクは高い状況にあります。また長引く超低金利で金融機関は運用難に悩んでおり、高金利を稼ぐ買収ファンドなどに巨額資金が流れ込みやすい状況にも配慮する必要があるということから、今回の検討に着手したようです。


バブルの崩壊により、日本企業の伝統とも言える株式の持ち合いがなくなり、突如として「市場」という大海原に放り出された感のある日本企業には、これまでこうしたリスク対策を検討する余裕がありませんでした。

また、商法の改正により理論的にはポイズンピルの導入は可能となっていたのですが、前例が乏しいことなどからこうした新しい制度の導入には及び腰になっていた感があります。


今回のライブドアの行動は、こうした状況に風穴をあけ「新しい風」を吹かせたという意味で、大いに意義があったと思います。
ただ、堀江氏当人にそんなつもりはなかったような気もしないでもないですが・・・


今後、商法の更なる改正など法整備も進められていく予定で、経営者の過剰な保身行為につながらないよう配慮しつつ、議論がなされていくのは、日本企業全体にとっての利益になることと思います。
posted by きむたろ at 11:55| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 会社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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