2005年09月05日

会社法登記Q&A(その3)

会社法施行に伴う会社登記Q&Aの3回目です。

Q7.確認会社を設立したのですが、会社法が施行されても増資しなければならないのですか?

A7.確認会社は、最低資本金規制の特例措置として資本の額が1円でも会社の設立が許容されていますが、設立の日から5年以内に、1000万円(株式会社の場合。有限会社の場合には300万円)に増資する必要があり、その登記がされないと解散することを定款に定め、その旨を解散の事由として登記簿に記録することとされています。
 会社法では、最低資本金規制が廃止され、株式会社であっても資本金1円で設立することが可能になります。そして、確認会社についても、増資する必要はなく、上記の定款の定めを株主総会等の決議で変更し、解散の事由の登記を抹消する登記申請をすることにより、会社を存続させることができることとなります。

<参照条文> 整備法448条


Q8.会社を設立する際、類似商号の調査をする必要はないのですか?

A8.会社法の施行日後も、整備法による改正後の商業登記法の規定により同一場所における同一商号の登記は禁止されるので、同一本店所在地に同一の商号の会社があるかどうかを調査する必要はあります
 なお、会社法施行日後も、引き続き、商号調査簿は登記所において無料で閲覧できる予定です。

<参照条文> 整備法による改正後の商業登記法27条


Q9.共同代表の登記はどうなるのですか?

A9.会社法及び整備法の施行により、共同代表(代理)制度は廃止され、登記事項ではなくなります。現在共同代表取締役共同代表執行役共同支配人として登記されている会社についても、会社法施行日以降は登記事項ではなくなります
 共同代表(代理)を廃止する登記は、登記官が職権で行うこととしています。

<参照条文> 整備法42条2項、74条1項、113条1項

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2005年09月03日

会社法登記Q&A(その2)

前回に引き続き会社登記のQ&Aです。

Q4.会社法が施行されると、有限会社はどうなるのですか?

A4.整備法の施行により、有限会社とうい会社類型はなくなり、施行日に現にある有限会社は、株式会社として存続することになります(この会社を「特例有限会社」といいます。)が、このために特段登記の申請をする必要はありません。
 ただし、会社法の施行日から6か月以内に登記を申請しなければならないケース(Q3参照)がありますので、該当する会社の方は十分注意してください。
 なお、整備法の規定により、「有限会社の定款」、「社員」、「持分」及び「出資1口」は、それぞれ「株式会社の定款」、「株主」、「株式」及び「1株」とされ、有限会社の資本の総額を出資1口の金額で除した数が株式会社の発行可能株式総数及び発行済株式の総数となりますが、必要な登記は、登記官が職権で行うこととしています。

<参照条文> 整備法2条、3条、136条16項


Q5.会社法施行後、有限会社を株式会社にする手続きについて教えてください。

A5.整備法の施行により、有限会社という会社類型はなくなり、施行日に現にある有限会社は、株式会社として存続することになります(この会社を「特例有限会社」といいます。)
 特例有限会社には、商号中に「有限会社」という文字を含まなければならないなどのいくつかの会社法の特則が定められています。
 整備法の施行後、特例有限会社から通常の株式会社に施行するためには、商号の変更(○○有限会社→○○株式会社)についての定款の変更を株主総会において決議し、株式会社の設立の登記申請特例有限会社の解散の登記の申請を行う必要があります。

<参照条文> 整備法45条、46条


Q6.役員の任期はどうなるのですか?

A6.会社法の施行により、取締役の任期は、原則として2年となりますが、株式の譲渡制限に関する定めを設けている株式会社については、定款で定めることにより最長10年まで伸ばすことができるようになります。
 また、監査役の任期は、原則として4年となりますが、株式の譲渡制限に関する定めを設けている株式会社については、定款で定めることにより最長10年まで伸ばすことができるようになります。

<参照条文> 会社法332条2項、336条2項
posted by きむたろ at 13:57| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月01日

会社法登記Q&A(その1)

会社法施行に伴い、会社登記の方法も大きく変わってきます。

ただ、会社法の施行に伴い必要となる登記は、ほとんどが登記官が職権で行うものです。
法改正に伴い自分で登記申請をしなければいけないケースというのは案外少ないのです。
過剰な心配はする必要ないと思いますが、備えあれば憂いなし。
そこで今回は、そんな会社登記に関するQ&Aです。

尚、会社法の施行日は現時点では未確定です。
来春4月頃といわれています。


Q1.会社法が施行されると登記の申請が必要となるのですか?

A1.大多数の会社については会社法及び会社法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(以下「整備法」)の施行に伴って新たに登記の申請をしていただく必要はありません。
 また、現在お手持ちの印鑑カードも引き続き使用することができます。
 但し、会社法の施行日から6か月以内に登記を申請しなければならないケースがあります(Q2、Q3にて説明)ので、該当する会社の方は十分注意してください。

<参照条文> 整備法42条、74条、113条


Q2.株式会社について、会社法施行に伴い登記申請が必要となる場合とはどのような場合ですか?

A2.以下のケースでは法改正に伴い登記申請が必要になります。

@株式の買受け又は消却に関する定款の定め等がある株式会社は、施行日から6か月以内(これより前に他の登記を行う場合には当該他の登記と同時に)に発行する各種類の株式の内容の登記をしなければなりません。

A商法特例法上の大会社(委員会等設置会社を除く)又はみなし大会社である株式会社の定款には、監査役及び会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなされるため、定款変更は必要ありませんが、施行日から6か月以内(これより前に他の登記を行う場合には当該他の登記と同時に)に監査役会設置会社である旨、社外監査役についてその旨、会計監査人設置会社である旨及び会計監査人の氏名又は名称を登記しなければなりません。

B委員会等設置会社である株式会社の定款には、会計監査人を置く旨の定めがるものとみなされるため、定款変更は必要ありませんが、施行日から6か月以内(これより前に他の登記を行う場合には当該他の登記と同時に)に会計監査人設置会社である旨及び会計監査人の氏名又は名称を登記しなければなりません。

<参照条文> 整備法52条、57条、61条3項、113条5項


Q3.有限会社について、会社法施行に伴い登記申請が必要となる場合とはどのような場合ですか?

A3.以下のケースでは法改正に伴い登記申請が必要になります。

会社法施行前に、その定款に有限会社法39条1項ただし書(議決権の数又は議決権を行使することができる事項)、44条(利益の配分)又は73条(残余財産の分配)の規定による別段の定めがある場合において、その定めが属人的なものでなく、持分に関するものであるときは、これらの定めは、それぞれ会社法108条1項3号、1号又は2号に掲げる事項についての定めがある種類の株式とみなされるため、定款変更の必要はありませんが、施行日から6か月以内(これより前に他の登記を行う場合には当該他の登記と同時に)にみなされた株式の種類、内容及び種類ごとの数を登記しなければなりません。

<参照条文> 整備法10条、42条8項から10項まで


※こちらのQ&Aの内容は、法務省HPの内容の抜粋です。
 詳細はこちらをご覧ください。  http://www.moj.go.jp/MINJI/minji92.html
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2005年06月10日

株券不発行制度とは?

これは、平成16年度の商法改正により取り入れられた制度で、昨年の10月1日より施行されています。

従来、すべての会社は、原則株券を発行しなければなりませんでした。
しかし、日本の会社の大多数を占める中小会社では、ほとんど株券が発行されていないのが実情でした。
平成16年度の改正では、こうした実態に近づけるため、また有価証券のペーパーレス化を進めるため以下のように改正がなされました。


◆保管振替制度利用会社(上場企業・店頭登録会社のすべて=公開会社
2009年(平成21年)6月までのある時点(一斉移行日)をもって、株券は発行しないものとする。これ以降、公開会社の「株券」はなくなり、一律コンピューター管理となります。このとき、証券会社などに預託していないいわゆる「タンス株」は無効となってしまいますのでご注意を・・・


◆保管振替制度利用会社以外の会社(非公開会社
すべての株式会社は、定款で株券を発行しない旨を定めることができる(商法227条)。
この定款の定めがなくても、株式譲渡制限会社(※詳細追記)は、〔原則〕株券を発行する必要はなく、〔例外〕株主から株券発行の請求があった場合は株券を発行する、ということになります(商法226条)。


この株券を発行しない会社のことを株券廃止会社といい、この制度のことを株券不発行制度といいます。

先の公開会社の場合は、「一斉移行日」をもってすべて株券不発行(株券廃止)に切り替わります。
それ以外の非公開会社の場合は、定款変更の株主総会決議において、ある「一定の日」に株券の廃止の効力が発生する旨を決議し、公告・通知をしなければなりません。
この公告・通知は下記のように行います。

株券を発行しない旨の定款の定めをした会社は、「その旨」と「会社の定めた一定の日に株券が無効となる旨」を効力発生日の2週間前に、定款に定めた方法により「公告」し、かつ株主と登録質権者に「通知」しなければなりません(商法351条)。

また、会社が、@すべての株式について株券不所持の申出により株券を発行していない会社である場合、またはA譲渡制限会社が株主の請求がないために株券を発行していない会社(以上@Aを準株券廃止会社という)である場合には、前記の「公告」、若しくは「通知」どちらか一方だけで済ませることができます。但し、「通知」は、株主、登録質権者に加え端株主、新株引受権者及び新株予約権者にもする必要があります。


また、従来株式の譲渡は、株券の交付によって行われていましたが、株券不発行制度の導入により変更が加えられました。
長くなりましたので、こちらについては次回以降にお話したいと思います。続きを読む
posted by きむたろ at 19:23| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月07日

株主総会とは(その3)

5/19、株主総会に株主が出席しなくても決議を成立させる方法をご紹介しました。
今回はその続きです。


@代理人による議決権の行使

これは、株主総会当日に出席できない株主が、委任状に議案の賛否を表示し意思表示を行うものです。
委任状により委任を受けた受任者(代理人)は、議案の賛否だけではなく、その総会に提出される議案の修正案あるいは総会運営上の動議についても代理権を行使することができます。
会社は、株主総会の招集通知に委任状用紙、参考書類を添付して代理行使の勧誘を行うのが一般的です。
ニッポン放送の経営権をめぐりライブドアとフジテレビが同放送の株式争奪戦を繰り広げたのは記憶に新しいかと思いますが、両社とも過半数の株式を取得できなかった場合には、この委任状の争奪戦(プロキシファイト)になると言われていたものです。


A書面投票・電子投票

書面投票制度は、先の委任状が代理人を通して意思表示するのと異なり、株主が直接書面をもって議決権を行使できるものです。
これは、議決権を有する株主の数が1000人以上の大会社は必ず行わなければなりません。この場合、招集通知には法定の書面投票用紙と参考書類を添付します。
なお、中会社、小会社にあっては、取締役会の決議によって、この書面投票制度を採用することができます。
また、この書面投票制度が義務付けられる会社は、予め招集通知を電子メールなど電磁的方法により受領することを承諾した株主に対しては、招集通知を電磁的方法により提供することができるとされています。具体的には、電子メールやウェブサイトでのやりとり、CD-ROM等の交付が考えられます。


B商法253条による株主総会に代わる決議

こちらは、@Aとは異なり株主総会という「会議形式」をとらないで決議するものです。
本来、株主総会で決議すべき事項について、議決権を行使することができる総株主が書面または電磁的記録にて同意している場合、総会の決議があったものとみなすことができます。
株主数が少なく、株式の譲渡制限規定を置いてあるような会社の場合、株主総会を開催して決議をするということは現実的には少ないようです。この商法253条(※詳細追記)の規定は、現実の運用面に配慮した規定といえましょう。
なお、この場合は、総株主の同意書が総会の議事録に代わる書面となります。
続きを読む
posted by きむたろ at 18:12| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月04日

株主総会とは(その2)

個人投資家の囲い込みを狙って、コンサートなど娯楽の要素を取り入れた株主総会が増えている。6月に集中する株主総会はこれまで平日開催が一般的だったが、今年は参加しやすい週末に開く上場企業が前年から5社増え50社になる。 【日経新聞】

もう間もなく株主総会のシーズンに突入します。
商法では、原則総会開催日の2週間前までに、総会の招集通知を株主宛に発送しなければならないことになっているので、早い会社ではそろそろ発送といったところでしょう。

冒頭の日経新聞の記事によると、週末に総会を開催する上場企業が前年より更に増加して50社になるということです。

従来、株主総会といえば、会社側の意向にそって議事を進行しサクッと終わらせる「シャンシャン総会」が主流でした。

ところが近年、株主意識の高まりとともに「物言う株主」が増え、「対話重視の総会」へと変化してきています。

本来、企業側からすると質面倒くさい総会などサクッと終わらせるほうが楽なはずです。
それが、わざわざ休日であるはずの週末開催にしてまでも一般の株主の参加を促しているのはなぜでしょうか?

これは、営業戦略の一環とも言うことができるでしょう。
しかし、それ以上に各企業が「一般投資家の中で安定株主を増やしておきたい」と考えているからです。
自社の株主が、投機目的で短期間で株の売買を繰り返すデイトレーダーなどといった人種では困るのです。

ライブドアの一件以来、上場企業各社は「ポイズンピル」などといった企業買収に対する防衛策を検討してきました。今回の総会でこうした防衛策を導入する企業も少なくないはずです。

しかし「ポイズンピル」などの防衛策は、敵対的買収に対する即効性のある「特効薬」としての効き目はあるにしても、「本質的な」問題解決にはなっていないのです。

「本質的な」問題解決は、自社の企業価値を高めること以外ありません。

「この会社の株なら将来に渡ってずーっと持っていたい」と株主に思ってもらえるような企業になれれば、「敵対的買収」など怖くはないのです。

週末に株主総会を開催し、色々なイベントを催すことが企業価値を高めることにつながるかどうかは分かりませんが、「株主の関心を高める」といった意味では有意義な試みと言えるのではないでしょうか。
posted by きむたろ at 00:03| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月19日

株主総会とは

そろそろ会社の株主総会の季節になってきました。

定時株主総会の開催時期は、「権利行使すべき株主を決定するための基準日(=実務上営業年度の末日となる)から3ケ月以内に開催しなければならない」という商法の規定(※詳細追記)に拘束されます。

例えば3月決算の会社は、それから「3ケ月以内」ということで、6月末までに定時株主総会を開催しなければなりません。
日本の会社は「3月決算」の会社が非常に多いため、6月末に定時株主総会が集中してしまうのです。

この株主総会、基本は株主が「出席」して議案の審議・決議をするものです。
しかし、「忙しい」「無関心」などで株主が出席しない場合が多いのです。

しかし、株主総会は、原則「総株主の議決権の過半数を有する株主」の出席(定足数)が必要です。定足数を下回る株主総会による決議は無効となってしまいます。

このため、一般の株主が多い「公開企業」は株主集めに苦労するのです。
株主の便宜をはかるため、6月中頃に時期をずらして開催する会社や、休日に開催する会社も増えています。
また、出席者に自社製品をお土産に渡したり、所属タレントを出席させるタレント事務所もあったりと、いろいろ株主を楽しませる工夫をしているようです。


また、商法は、株主が出席しなくても株主総会が成立する方法をいくつか用意しています。

@代理人による議決権の行使
A書面投票・電子投票
B商法253条による株主総会に代わる決議

上記いずれかの方法により、株主総会の定足数を満たすことができます。
この具体的な内容については、また次回以降にご説明したいと思います。
続きを読む
posted by きむたろ at 21:02| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月07日

商法の改正(改正趣旨)

たびたび変更が加えられうんざりしてしまうこともある商法の改正ですが、今回の改正は「フルモデルチェンジ」と言ってもよいほど大規模な変更が加えられるものです。

その目玉は、「物的会社」の中身を整理することと、この両者の中間にあたる日本版LLC・LLPの導入です。


まず初回は、この改正の趣旨についてご説明します。


「会社」は「人的会社」と「物的会社」に分類することができます。

「人的会社」とは、合名会社合資会社のことを言います。
その特徴は、出資者の人的信用が会社の信用の基礎となっており、出資者がその会社の責任(債務)を無制限に負担しなければならないものです。

一方「物的会社」とは、株式会社有限会社のことを言います。
こちらは、出資者と経営者を分離することができ、出資者はその出資分に限り責任をもちます。

もともと商法は、外部の人間を入れず家族経営的な小規模会社を「有限会社」とし、「株式会社」は外部資本を取り入れた比較的大規模な会社を想定していました。

ところが実際には、商法で想定していなかった「外部から遮断された家族経営的な株式会社」が大多数を占める状態になってしまいました。

「株式会社」と「有限会社」とを区別するのは「資本金の大きさ」という単なる形式的な線引きになってしまっていたのです。1000万円以上出資できれば「株式会社」、それ以下であれば「有限会社」という具合です。

今回の改正では、この「形式的な線引き」を一切なくしてしまいました。

「有限会社」はなくなり「株式会社」に一本化されます。
よって「最低資本金」制度も廃止されます。

これまでは、一定の条件を満たした場合のみ「1円設立」が可能でしたが、新商法の施行後は「1円設立」になんの制約もなくなります。

長くなってしまったので、続きはまた次回以降にしたいと思います。
posted by きむたろ at 23:38| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 商法・商業登記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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