2006年01月13日

姉歯建築士による構造計算書の偽造3 〜地震で崩壊しない建物〜

事業者、設計会社、施工業者などが己の利潤追求のためいい加減な仕事をしないように、国がチェック機能を構築してきたことは前回までにお話してきました。

今回は、そのチェック機能の内容についてお話したいと思います。


◆建物の耐震基準と建築確認
 日本の建築物は、ある一定レベルの地震に対しても建物が崩壊することがないよう耐震基準が定められています。この耐震基準をクリアするため、非木造(鉄骨造や、鉄筋コンクリート造)や木造でも3階建以上の建築物を建築する場合には必ず構造計算を行います。

この構造計算、一般的には国がお墨付きを与えた指定の計算ソフトを使って構造計算書(※追記参照)を作成し、それを地方公共団体あるいはイーホームズなどの民間の検査機関がチェックすることによりその内容が正しいかどうかを審査します。この作業のことを建築確認申請と言い、ここでOKがでないと建築工事を始めることができないようになっています(建築基準法)。建築物の設計に問題がないかどうかを着工前にチェックしているのです。

この制度により、鉄筋コンクリート造などの大型の建築物を建築する場合、その設計に構造上の欠陥が発生しないようになっているのです。

マンションの広告をよーく見てみると、小さい字で「建築確認番号」という番号が記載されていると思います。これは確認申請が無事におりたことを示しているのです。


◆完了検査と検査済証
 確認申請により、建築予定の建物の設計に問題がないことが確認されました。これにより、めでたく工事着工となります。

「設計図に問題はない」。
さて、これだけで安心でしょうか?

建築基準法は、工事が完了した後にチェックするしくみも用意しています。

これを完了検査といいます。
この検査により、出来上がった建物が法令に適合しているかどうかチェックがなされ、この検査に合格するとその証として検査済証というものが交付されるのです。

また場合により、工事を行っている最中に中間検査というものを行うこともあります。


◆行政から民間へ
 さて、先に建築確認申請は、地方公共団体あるいはイーホームズなどの民間の検査機関が行うことをお話しました。

従来は、この「確認申請」は地方公共団体以外は行うことができませんでした。

ところが、規制緩和の流れを受けて、1999年の建築基準法の改正により、イーホームズなど民間の検査機関でもできるようになったのです。


◆まとめ
 以上のように、国はさまざまな仕組みを用意して、欠陥のある建物が出来上がらないようにしてきました。

しかし、それでも欠陥住宅などといったものによる被害が後を絶ちません。

次回は、それでも欠陥住宅が生まれてくる原因について考えてみたいと思います。
追記
posted by きむたろ at 12:58| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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