2005年12月16日

姉歯建築士による構造計算書の偽造2 〜外見重視のマンション〜

前回からの続きとなりますが、本末転倒とも言える意匠重視・構造軽視の傾向は、なにもデザイン性のある特殊な建築物だけではなく、一般のマンションなども例外ではありません。


◆外見(みてくれ)重視のマンション

今回問題となっているマンション。

エントランスまわりが石貼りの造りになっていて妙にゴージャスな感じになっていることに気がつかれた方もいるかと思います。

これらのマンションは、エントランスなど目に付きやすいところにはお金をかけてゴージャス感をだしている一方、本来一番重要な構造部分で手抜きをしていて強度不足という建物としては致命的な欠陥があるということになります。


現在、このの問題の実態の究明が行われていますが、「木村建設から姉歯建築士に対して鉄筋量の削減要求があった」という話もでてきています。

ここまでいくと法令違反の問題になってきてしまいますが、業者がこんな発想をするのは、背景として意匠重視・構造軽視の傾向があることは否定できません。

このように、構造など素人ではわかりにくいところでは手抜きをし、逆に素人でもわかりやすい部分に無駄なお金をかけて豪華な造りにするのは、こうしたマンションの方が購入者にアピールしやすく売りやすいからです。

目につきやすいところを豪華にし、一方で見えない部分では手抜きをすることで販売価格を下げ割安感をだすことにより、顧客に買わせようというマンション開発業者の意図が透けてみえます。


◆手ごわい消費者になるためには

このような悪徳業者から身を守るために、われわれ消費者はどうすればよいのか?

まず消費者は自ら賢くならなくてはいけません。


例えば価格。

問題マンションの販売価格は近隣の一般的な競合物件よりも安いのです。
しかし、エントランスなどは妙に豪華な造りになっています。

なにかおかしいと感じませんか?


物には必ず適正な価格というものがあります。
ある物が適正価格よりも安い値段で売られている場合、必ず安く売ることができる理由があるはずです。

「その理由はなんなのか?」

「これから買おうとしている物は、はたしてこれから支払うお金と同等以上の価値を持っているものなのか?」

必ず考える癖をつけるべきです。


考えてもよくわからない場合には、本当に信頼できる専門家がいればその人物の力を借りればよいのです。

消費者は賢くならなければいけないのです。



とはいえ、マンション購入者は建築の素人です。
どうしても、外観などといった目につきやすいところで判断してしまいがちです。

一方で、業者が利益の追求のみを追い求めるようになるとこのような発想に走るのはある程度予測できることです。


こうした業者の暴走から消費者を守るため、国がチェック機能を構築してきたことは前回述べたとおりです。

しかし、そのチェック機能は機能しませんでした。

次回はこの問題について考えてみたいと思います。



posted by きむたろ at 08:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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